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俵さんはみなさんが注目するベーカリー未経験者として出発したオーナーです。 |
パン・ド・ファミーユ 神奈川県川崎市宮前区野川 1085-8 グランドール野川 101 TEL 044(753)5070 オーナー俵さん 静かな郊外にただずむ 2000年10月にオープンした”パン・ド・ファミーユ”は 東急東横線の武蔵小杉駅からバスで20分。 小学校や幼稚園が並ぶ、静かな住宅街に店舗はある。もちろん、お客様は近所に住む 主婦の方々や子供たちが多い。あえて俵店長は駅前の好立地を希望せず、郊外の住宅地を選んだ。それは、あくまでも地元密着型のベーカリーにこだわった結果である。 お店の設計は最近ではめずらしい窓の少ない店である。一見すると何屋さんかわからない 外装である。だが、一歩中に入ると木材をふんだんに使用したカントリー調デザインの インテリアが暖かい雰囲気を出し、焼きたてのパンの香りとともに楽しい気分にさせてくれる。 月変わりの大きなテディーベアーが店内に飾ってあり、迎えてくれるのも、ひときわ目を引く。 たくさんの商品アイテムだけではなく、工夫のあるインテリアも地元のお客様に 好評である。 地元のリピーターを着実に増やし、オープンしてから1年経っても、売上の大きな変動は なく、日商 20万円を維持している俵さん。まさに地域密着型店舗としての成功者である。 以前は看護士さん 俵さんの前職は看護士さん!どうしてまったく違う仕事への転身を行っただろうか? 高校卒業後に看護士を目指して専門学校に入学。3年後に卒業し、5年間看護士として 病院で働いていた。 「もともと何かを作りたい、自分の店を持ちたいという気持ちがあったんです。 なんでパン屋にしたかというと明るく清潔で子供も買いに来てくれるという漠然とした いいイメージがあったから」 そんなイメージから開業を目指し、26歳にてパン専門学校へ入学した。 「専門学校に入って実際にパンを作っていると、やっぱり自分に向いているいう 確信を持ったんです。作るのが楽しくてしょうがなかった。ああ、パン屋にして良かった。 自分の決めた道は間違ってなかったって思いました。」 修業時代 専門学校を卒業後、当社のベーキングスタッフとして約1年半、研修を受ける。 ここでは、様々なベーカリーのオープンスタッフとしてパンを焼き、 あわただしいオープンを支えてきた。学校で習うパン作りと実際のお店でのパン作り、 やはり大きなギャップがあった。 「学校とは違って、ダイユーのベーキングスタッフはキツかったですよ。朝から晩まで 働き詰めだったし、お客様は待ってはくれないから時間にも追われる。焼くパンも学校 とは比べものにならない位、多い。でもこの経験が後々自分の店をやるにあたって大いに 役立ちました。やはりオープンというあわただし時期の実践経験を積んだせいか、 作業の流れのノウハウを早くつかめました。ダイユーの先輩スタッフの方々の働く姿勢 にも見習うことが多かった。」と語る。 そんなハードな実践経験を得た俵さんは29歳と若さで自分の店を持つことになった。 一年が経ち・・。 開業に要した資金は3600万円。9割を借り入れでまかなった。 そしてオープン。売上は大きな下降線を描くことなく、ゆるやかな売上下降に留まった。 早くも地元のリピーターを獲得していたのだった。順調な滑り出しに成功したのである。 しかし、俵さんに経営者としての壁がぶつかってきたのだった。 経営者として、初めて人を使う立場になったことで、悩み、苦しんだ。 それでも、その気さくな人柄のおかげか、その壁も乗り越え、今やスタッフとの チームワークは抜群に良くなった。この店の売上の高さは働くスタッフ全体の気持ちの つながりも大きな要因のひとつといえる。 現在、売上は日商約20万円と高い売上を維持している。その人気にひとつに あげられるのは、バラエティーにとんだアイテムであろう。特に、惣菜パンや サンドイッチには力を入れており、定番の”カレーパン”以外にたくさんのユニークな パンが並ぶ。サンドイッチもボリュームあるアイテムがケースに敷き詰められた状態 になっている。選ぶのに悩ませられる。 私のコンセプト 俵店長に今後の目標について尋ねたところ、長い沈黙の後に「広〜く 長〜く」と一言。 次の出店についてはまったく考えていないという。 「1店舗の管理だけでたいへんな状況の中、次の出店は考えられない。 今、この店舗がより地域の皆様に愛されるかを考える方が大事。」と付け加える。 それを聞いていた従業員たちもいっしょにうなずいていた。 俵店長の意志が皆にも伝わっているのだろう。 成功のコンセプトとは 「いかに地域のお客様を大切にするか?そして大切にすることで口こみ で宣伝されていく。長い目で見れば段々とお客様が増えていく方が定着し、 売上の安定になる。」と答える。 あくまでも地域密着型を貫く俵店長。その姿勢はこれから店舗出店を考えている方にとって、 見本になる店長であろう。 |