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”パン工房 パン・ド・クルー”が最近、注目を浴びている
2001年6月にオープンした”パン工房 パン・ド・クルー”が最近、注目を浴びている。
店舗は 35坪 (売場12坪、工場 14坪 と休憩室や更衣室がついている)
と広い店舗。
開店から厳しい状況の中、現在、売上を大きく伸ばし、安定した集客を実現しているその理由は
”吉田 明 店長の考えと行動力にある”。
その”成功に導いた考え方”とはなんであろうか・・・・?
気さくな吉田 店長がお話してくださいました。では。

33歳の吉田店長
は神奈川県座間市出身。高校卒業後、ベーカリーの世界に入った。
ジローのベーカリー部やポンパドオルの修行を経て、
ダイユーの指導員に所属して、独立開店となった。
ダイユーの指導員時代は熱血感のある指導力と発想豊かな企画力は様々な店を指導し、売上増の結果を残していた。

開店場所は神奈川県相模原市。最近、人口も急増しているこの地域に吉田 店長は夢を託した。
開店費用は3400万円を投じ、緑をメインカラーに、木とレンガを店外、店内にたくさん使い落ち着き感のあるデザインとなった。お店の外にはテラスを作り、無料のコーヒーサービスを提供する
地域にはないベーカリーとして出発した。
開店初日セールの2001年6月22日と23日は両日ともに日商 70万を超え、素晴らしいスタートとなり、
吉田店長の不安も一掃した。。


最高のスタートを切った
”パン・ド・クルー”だが、厳しい現実が待ち構えていた。
2001年6月は最近でも類のない大猛暑となり、通常なら開店セールの売上はゆっくりと下降し、3週間位で落ち着くものという理論が完全に崩され、売上は10万円代までに落ち込み、上昇しない売上に不安がよぎった。

その原因として猛暑という現実もあったが、吉田 店長は
「理想を追い、自分を見失って背伸びしていた商品構成であった」と語る。
ハード系とデニッシュ中心の商品構成にその原因があったと認識し,その改善に取り組んだ。
その後考えたのが、「自分の好きなパン、自分の売りたいパンをお客様に提供すること」だった。
お店を経営するにあたって、自分がおいしい、自分がお客様にお勧めできるパンを売ることが重要であることを見失っていた自分に気ずいたのだった。
「自分としては、ソフトで中に何が入っているかが楽しみな好みのパンに切り替えた。
好きなパンだと本音で売り込めるし、質問にもよく答えられる。
こんなにうまいんですよと試食にも出せる。新しい店だからどうしてもグレードの高いものを
揃えたいとか気持ちはある。でも、あまり手をかけてでは続かないし、追われてしまう」
その方向転換の実践から、パン・ド・クルーは目覚しい飛躍をたどる。

今年の3月に日商 20万円に到達。
目標である日商をクリア。その後、順調に売上は上がり、1年経った今年 6月には平均 25万円となった。昨年の苦労時代から学んだことから、様々な販促企画を提案。挑戦し、この数字となった。
近くの市役所に行き、職員に自慢のサンドを売り込みに行き、安定して注文をもらえるようになったことや
3ヶ月間折込チラシを配布し、店の場所を辛抱強くアピールした。新製品を毎月 3アイテム提案し、新鮮さと驚きをお客様にアピール。と企画が実を結んだ結果としての数字である。
当面の目標は”30万円の壁を乗り越えること”。路面店での30万円の壁というのは、高いハードルであることは間違いない。
しかし、苦しい時代を経験し、それを乗り越えた自信はその高いハードルを越えるにあたって最大の力になるであろうと感じる。今後の成長が楽しみなベーカリーである。
そして編集者の私も個人的に吉田店長のファンの一人である。”がんばって下さい”