ホイロは最終発酵をとるための発酵庫
ベーカリー業界では、ホイロとは、温度と湿度が管理できる業務用の発酵庫のことをいいます。管理できる温度帯は、機種にもよりますが、常温から最高で50度C前後までです。湿度については、環境湿度から99%までのことが多く、環境湿度より低くすることはできません。多くの場合、多段の棚式やキャビネット式になっていて、効率よくパン生地が収納できるようになっています。 漢字では「焙炉」と書きます。 製パンの工程にも、配「ホイロ」と呼ぶ工程があり、「ホイロをとる」という表現をしますが、この場合は「最終発酵をとる」という意味になります。その意味では、「最終発酵をとるための機器」が、製パン機械のホイロということになります。 続きを読む
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リターダーホイロは、冷凍パン生地の解凍・冷蔵も可能
リターダーホイロは、冷凍パン生地を解凍して、冷蔵保存し、さらに温度を上げて最終発酵の状態まで持っていくことができる機械です。冷凍の温度帯まで管理できる機械は、ドウコンディショナーといいます。
台下タイプのホイロも
また、麺台(作業台)の下がホイロになっているものもあります。台下タイプのホイロ、発酵庫です。麺台で生地を分割したらすぐに番重に入れて、下のホイロに入れて、ベンチタイムや1次発酵、最終発酵が取れるので、とても便利です。
ハード系のパンは、乾ホイロも
フランスパンなどのハード系のパンは、比較的低温低湿度で発酵させるため、「乾ホイロ」と呼ばれる加湿をしないタイプのホイロを使うこともあります。
昔は木製の箱を使っていた
そもそもは、「焙炉」とは、食材などを緩やかに熱して、加工するための木箱のようなものを指し、代表的なものとしては、煎茶を製造する際の焙炉があります。製パンにおいても、製パン機械としてのホイロが開発される以前には、木製の箱に棚を作り、その中を蒸気などで温めて、パン生地を入れて発酵させていました。